健康保険では、被保険者だけでなく、被保険者に扶養されている家族にも保険給付を行います。この家族のことを「被扶養者」といいますが、被扶養者の範囲は法律で決められています。
被扶養者となるためには、健康保険組合の認定を受けなければなりません。家族を被扶養者としたいときは、下記の書類に必要事項を記入し、必要書類を添えて、5日以内に健康保険組合に申請してください。
手続書類:
1.
「健康保険被扶養者(異動)届」
2.
「被扶養者状況届」
3.
「被扶養者を申請するときの添付書類」
※異動があった日から5日以内に提出してください。
● 被扶養者の範囲
被扶養者となるためには、主として被保険者の収入によって生活していることが必要です。扶養の程度の基準としては、被扶養者となる人の年間収入が130万円(60歳以上または障害者は180万円)未満で、被保険者の収入の2分の1未満であることとされています。 ただし、75歳以上の高齢者は後期高齢者医療制度の被保険者となりますので、健康保険の被扶養者にはなれません。
● 被扶養者認定における国内居住要件の追加について
2020年4月より、健康保険の被扶養者認定の要件に、国内居住要件が追加されました。日本国内に住所を有していない場合、2020年4月1日以降は、原則として被扶養者の認定はされません。(海外留学等、一定の例外あり)
■ 国内居住要件の考え方について
住民基本台帳に住民登録されているかどうか(住民票があるかどうか)で判断し、住民票が日本国内にある方は原則、国内居住要件を満たすものとされます。
※住民票が日本国内にあっても、海外で就労している等、明らかに日本での居住実態がないことが判明した場合は、国内居住要件を満たさないと判断されます。
■ 国内居住要件の例外
外国に一時的に留学している学生等、海外居住であっても日本国内に生活の基礎があると認められる場合は、例外として国内居住要件を満たすこととされます。
【国内居住要件の例外となる場合】
@ 外国において留学をする学生
A 外国に赴任する被保険者に同行する者
B 観光、保養又はボランティア活動その他就労以外の目的で一時的に海外に渡航する者
C 被保険者が外国に赴任している間に当該被保険者との身分関係が生じた者
D @からCまでに掲げるもののほか、渡航目的その他の事情を考慮して日本国内に生活の基礎があると認められる者
■ 国内居住者であっても、被扶養者と認められない場合
医療滞在ビザで来日した方、観光・保養を目的としたロングステイビザで来日した方については、国内居住であっても被扶養者として認定されません。
■ 経過措置について
国内居住要件の追加により被扶養者資格を喪失する方が、施行日(2020年4月1日)時点で国内の医療機関に入院している場合、経過措置として、入院期間中は資格が継続されます。
● 被扶養者に異動があったとき
就職や別居、死亡などで、それまで被扶養者に認定されていた家族が、被扶養者の認定基準を満たさなくなった場合は、被扶養者からはずす手続きが必要です。 また、被扶養者が75歳になった場合にも、被扶養者からはずす手続きが必要となります。 くわしくはこちらをご参照ください。>> 「被扶養者からはずすとき」
国民健康保険に入っている父母を私の被扶養者に移したいのですが?
単に給付内容がよいからという理由で、家族を移すことはできません。被扶養者にするためには、被保険者によって実際に扶養されていることが必要です。
扶養家族の申請に必要な扶養していることを証明できる書類とはどんなものですか?
たとえば、学生については在学証明書などで証明できます。それ以外の人なら市区町村長発行の所得証明書等がこれにあたります。
別居している義父母を被扶養者にすることができますか?
妻の父母を被扶養者とするには、主としてあなたが生計を維持していることと、同居していることが条件になります。したがって、別居している場合には被扶養者にすることができません。この場合は国民健康保険に加入することになります。