花粉症の先手必勝法!―予防も改善も、早めの対策を―花粉症のジェネリック医薬品
あなたに合った治療法-薬物療法

 


早めの治療で症状を軽く抑える
 患者さんによって症状の現れ方や重症度はさまざまです。症状が軽い場合はセルフケアだけで対応できることもありますが、日常生活に支障を来すような場合は、医師や薬剤師と相談しながら、あなたに合った治療法を選びましょう。
 治療の中心は薬物療法です。内服薬のほか、点鼻薬、点眼薬などがあり、症状によって組み合わせて使うことが多くなっています。早めに治療を始めると、花粉の飛散量がピークのときでも症状が軽くてすみます。

↓症状が重い人は医療機関へ
↓症状が軽い人や病院へ行く時間のない人は市販薬を
↓漢方薬が使われることも
↓妊娠4カ月半ばまでは薬を控えたほうが安全



photo症状が重い人は医療機関へ
 例年、症状が出て長期的に薬を使用していたり、「花粉症重症度チェック」>で中等症以上だった人は、医療機関を受診して医師に薬を処方してもらうほうがよいでしょう。薬にはいろいろな種類があり、効果や副作用の現れ方にも個人差があります。「かかりつけ医」を決めておくと、経過をわかってもらえるので、あなたに合った薬を処方してもらいやすくなります。
 また花粉症の治療薬のなかには、ジェネリック医薬品があるものもあります。詳しくは「薬代がお得なジェネリック医薬品」>をご覧ください。

<内服薬>
 内服薬のなかには、副作用として眠気を伴うものがあり、車の運転や機械の操作をする人などでは特に注意が必要です。効き目が現れる早さや服用回数など、ライフスタイルに合った薬を処方してもらいましょう。

花粉症の治療に用いられる主な内服薬
抗アレルギー薬 くしゃみ、鼻水、鼻づまりに比較的バランスよく効きますが、効果が現れるのに時間がかかります。花粉が飛散する1~2週間前を見計らって受診し、薬を服用し始めるのがおすすめです。
抗ヒスタミン薬 くしゃみや鼻水を抑えるのに即効性があります。抗アレルギー薬よりも眠気などの副作用が強いといわれています。
ステロイド薬 くしゃみ、鼻水、鼻づまりを抑える効果は高いのですが、糖尿病や胃潰瘍(いかいよう)を合併するなど、さまざまな副作用があります。そのため、比較的重い症状に対して短期的に使用するのが一般的です。


<点鼻薬>

 薬を鼻の穴から噴霧したり、滴下したりして、鼻の症状に局所的に用います。即効性が期待できますが、点鼻薬だけでは効果が不十分なことが多く、たいてい内服薬と組み合わせて処方されます。

花粉症の治療に用いられる主な点鼻薬
ステロイド薬 くしゃみ、鼻水、鼻づまりに効き、ほかの点鼻薬に比べて効果が強力です。刺激を感じたり、鼻が乾くことがありますが、局所的に用いるため、内服薬のステロイド薬とは異なり全身的な副作用はほとんどありません。
抗アレルギー薬 連用することで、くしゃみ、鼻水、鼻づまりに対して効果を得られます。症状が強いときはステロイド薬を用い、症状が軽くなってきたら抗アレルギー薬を用いることもあります。
血管収縮薬 鼻の粘膜の腫れを抑え、鼻づまりをすばやく解消します。使いすぎるとかえって鼻づまりがひどくなるので、医師の指示どおりに使用することが大切です。


photo<点眼薬>
 点眼薬は、主に目のかゆみや充血があるときに用います。1回の点眼量は1滴で十分なので、さしすぎに注意しましょう。

花粉症の治療に用いられる主な点眼薬
抗アレルギー薬 効果が現れるまでに時間がかかるので、花粉が飛散する前から予防的に使用したり、症状が軽い場合に用います。
抗ヒスタミン薬 ある程度の即効性が期待でき、すでに現れている症状を抑えるのに有効です。
ステロイド薬 効果が高いのですが、副作用で眼圧が上昇することがあるので、定期的に目の検査を受ける必要があります。

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症状が軽い人や病院へ行く時間のない人は市販薬を
 「花粉症重症度チェック」>で軽症だった人は、市販薬を使うのもよいでしょう。内服薬や点鼻薬、点眼薬などがあります。症状が比較的重いけれど、医療機関を受診する時間がないという人は、「スイッチOTC薬」を選ぶのも一つの方法です。スイッチOTC薬とは、処方薬から市販薬に切り替わった薬のことで、かつては医師の処方せんがないと使えなかった成分が配合されていて、通常の市販薬より高い効果を得られます。薬局・薬店で薬剤師に相談し、自分に合った薬を選んでもらいましょう。

 市販の内服薬も、花粉が飛散し始めたらすぐに飲むか、もしくは、鼻がむずむずし始めたら、早めに飲み始めるのがおすすめです。ひどくなる前に用いたほうが症状を抑えやすくなります。添付書をよく読んで、正しく使いましょう。特に気をつけたいのが点鼻薬。市販されている点鼻薬には血管収縮薬が多く、この薬は鼻づまりに対して即効性はあるのですが、長期間連用すると鼻の粘膜が腫れ、かえって鼻づまりをひどくするおそれがあります。

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漢方薬が使われることも
 花粉症の治療に、小青竜湯(しょうせいりゅうとう)、葛根湯(かっこんとう)、小柴胡湯(しょうさいことう)などの漢方薬が用いられることがあります。
 漢方薬は西洋薬と違い、その人の体質や体形、肌の色つやなどを観察して処方されます。漢方薬を希望する場合には、漢方の知識のある医師や薬剤師に相談してみましょう。


妊娠4カ月半ばまでは薬を控えたほうが安全
  妊娠中は、花粉症の症状が悪化する場合がありますが、妊娠初期から妊娠4カ月半ばまでは、原則として薬による治療は行わないほうが安全でしょう。特に妊娠2~4カ月は胎児の器官が形成される時期なので、まずは、鼻を蒸しタオルで温める、入浴する、マスクを着用するなど、薬に頼らない方法を試してみてください。目のかゆみは、ぬらしたタオルなどで冷やすと和らぎます。
 妊娠5カ月以降も、内服薬が胎盤を通じて胎児の機能的な発育に影響を与える可能性があります。薬による治療が必要な場合は、局所的に作用する点鼻薬や点眼薬を少量使用するのがよいでしょう。内服薬を使用する場合もありますが、妊娠中に使用しても比較的安全性が高いとされる薬に限られます。
 妊娠の可能性がある人や妊娠中の人、授乳中の人は、治療に当たっては、必ず専門の医師に相談するようにしてください。


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